| 韓国税務士考試会の総会が開催された翌日の11月26日に、考試会と全国青税との懇談会が韓国税務士会館にて開催された。
全国青税からは、「税理士試験制度」、「会計参与(仮称)制度」、「ADR制度」について準備したが、時間の関係等の都合もあり、両国の税理士試験制度についてというテーマに絞って意見交換をした。以下、日本の制度については省略し、韓国における試験制度と懇談会時にでた今後の課題についての概要を報告をすることとする。
韓国における資格試験は第一次試験と第二次試験の二段階である。第一次試験は五肢選択式、第二次試験は論文式により行われる。
第一次試験では、全般的内容を理解しているかを判断する問題が主である。試験科目は、財政学、会計学概論、税法学概論、商法・民法・行政訴訟法で一科目選択、そして英語である。
第二次試験は、税法学第一部(国税関係)、税法学第二部(地方税関係)、会計学第一部(財務会計、管理会計)、会計学第二部(税務会計、受験者の実務能力を判断する)である。
第一次試験、第二次試験とも科目あたり100点とし、科目ごとに40点以上であって、全科目において60点を以上の得点をしたものを合格者と決定することとなっている。第一次試験合格者で第二次試験に不合格であるものは、翌年に限り第一次試験を免除される。
税務行政事務に従事した者の試験免除制度については、これまでは無試験で資格取得できた制度であったが、改正され、会計学に関する試験科目を受験しなければならなくなった。
税務士試験は、国税庁内にある税務士資格審議委員会にて運営されている。委員会は、国税庁長官が委員長、国税庁次官が副委員長となり、10人の委員(財務省官僚4人、有識者等6人)がおり、総勢12人で構成している。特に、委員長は委員会の審議を経て、その年の第二次試験の最小合格人数を決定できることが特徴である。
≪今後の課題≫
韓国では、税理士試験合格までに長年かかることが珍しくない。それは、日本のような科目合格制ではなく、第一次試験、第二次試験とも全科目を一括で合格しなければならないという点にある。この制度では受験生の負担が大きいのが現状である。受験生の負担がなるべく大きくならないような試験制度にしていくべきである。
現在、試験合格者は700人いるが、もともとは100人程度しか試験合格者をださなかった。そのため、この4〜5年間で合格者が急増しているだけに、毎年の合格者数には敏感になっている。現行制度では、人数を基準とした試験合格基準としている。税務士資格審議委員会の委員長が、その年の合格者を決定するのではなく、業務遂行能力等の具体的な基準による合格者を決定するという制度にすべきである。
税務行政事務に従事した者の受験科目について、現行制度では不十分であり免除する試験科目を減らすべきである。これは韓国税務士会でも問題視している。
企業診断のための試験科目が欠如しているので、財務管理及び経営学などの試験科目を追加する必要性がある。それは、このような試験科目がある税務士試験を合格したということで、税務士が会社内部に入って企業診断等のコンサルタントを業務として行うことが可能となるからである。 |